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映画鑑賞・読書・雑感

聖人も悪人もいない物語――映画『聲の形』感想

前置き

さて毎年恒例の感動ポルノの季節ですね。愛は地球を救う。
というわけで「感動ポルノ」と批判された『声の形』をレビューすることにする。
あらすじはこちらを確認してね。
 
映画を鑑賞した後マンガ全巻読破。少し内容がごっちゃになってるかもしれないけどそこはご愛嬌ということで。
本論に入る前に「感動ポルノ」についておさらいしておこう。
 
私たちが障害者の姿に感動しているのは、心のどこかで彼らを見下しているからかもしれません……。2014年12月に亡くなったコメディアン兼ジャーナリストのStella Young(ステラ・ヤング)氏は、従来の「気の毒な障害者」という枠を破った率直な発言で人気を集めました。健常者の感動を呼ぶために障害者を取り上げる風潮を批判し、障害者問題に対する社会の理解を求めました。(TED2014より)

   障害者は感動ポルノとして健常者に消費される - ログミー

 

「感動ポルノ」の名付け親ステラ・ヤング氏のTEDスピーチより引用。詳細はリンク先を参照。

要するに障害者を健常者の都合のいいように消費する一連の風潮のこと。

 

*1:わざわざ公式からひっぱってきたのは、「いじめ」や「聴覚障害」に関する情報が一切出てこないことを確認するためでもある

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東映『仁義なき戦い』シリーズ

「ヤクザ映画の名作」じゃなくて「ヤクザが出てくる名作」なんで毛嫌いしてる人はもったいないよ、というレビュー。
 
対象作品は以下の四作。
 
仁義なき戦い』(1973)
仁義なき戦い 広島死闘編』(1973)
 
この後に『仁義なき戦い 完結篇』や番外編シリーズ『新仁義なき戦い』があるけど、笠原和夫脚本の作品が圧倒的におもしろいし、ストーリーとしても四部作でまとまってるのでとりあえず『頂上作戦』までを一区切りとする。*1
 
*なにを持ってネタバレなのかさっぱりわからないので配慮はしません。
 

*1:『完結篇』は制作の直前に起こった抗争をモデルにしてるため、「実録もの」として料理しづらかった部分がでかい。笠原和夫から脚本を受け継いだ高田宏治の手腕のせいとは必ずしもいえない。

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R指定にかけた男たち ウルヴァリンシリーズ最終作『ローガン』感想

 
MCUの大成功でアメコミ映画は親子で観にいく定番ジャンルになった。
今回の『ローガン』はローガン/ウルヴァリンヒュー・ジャックマン)と謎の少女ローラ(ダフネ・キーン)の「親子もの」。
 
20世紀FOXもマーベルに負けじとマーケティングがんばりますなあ、などと思っていたら「レーティングあり」ときいてイスから転げおちて、そのままマンションから飛び降りて路上でのたうち回るほど驚いた。
 
なにを血迷ったか20世紀FOX。もうマーベルにXメンの権利売る前提でややけくそになってるのか?と邪推しつつ劇場へ。
 
はい、ごめんなさい。超傑作でした。ありがとう20世紀FOX。ありがとうジェームズ・マンゴールド
 

在庫僅少本の探し方

 
本のタイトルで検索するときまって上位はAmazonページ。お目当ての本がAmazonで品切になってるときはどうしてますか?というお話。Amazonで品切=入手不可、と思ってる方けっこう多いんだけど、意外と簡単に手に入るよという話。 
 
こんな木っ端ブログを覗いてみようなんていう酔狂なみなさんは、市場性の低そうなマニアックな本がどうしても欲しくなる瞬間が定期的に訪れるはず。
たまたまこの前、そんな本にぶちあたって無事に解決したので紹介します。

 

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アニメ版と実写版の比較 ディズニー映画『美女と野獣』感想

異端のディズニープリンセス アニメ版『美女と野獣

先日『美女と野獣』の実写版を見てきた。「ディズニー攻めてるなー」と思って楽しく鑑賞したけど、アニメ版を見直してみてびっくり。
 
そもそものアニメ版がめちゃめちゃ攻めてる。実写版の感想だけを書こうとすると、「いやそれアニメ版オリジナルだから」となるので、両者を比較して書くことにする。ちなみにどちらも見ている方前提で書いてるんで、ネタバレ覚悟で読んでくださいね。
 
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いきり映画オタクの話

学生時代のレンタルビデオ屋バイトのお話。最低賃金すれすれのくそみたいな時給だったけど、無料で映画やCDをレンタルできたのでけっこう人気のアルバイトだった。
 
メンバーもバラエティーに富んでて、お笑い芸人の卵(つまんない)、売れないバンドマン(モテる)、クラブのDJ見習い(金ない)、などなどサブカルの泥沼にはまりもがいてるような面々。
 
当時学生だったぼくも、B級映画を渉猟したタランティーノに憧れてバイトをはじめた痛いやつだった。
 
仕事は楽だったし、映画もたくさんみれたし、サブカルジャンキーたちともそこそこ仲良くなって映画以外の知識も増えた。当たりのバイトだったと思う。唯一の難点はある古参のバイトがいきり映画オタクだったこと。
 

頭つかって映画観るのしんどくない?『ラ・ラ・ランド』感想(ネタバレあり)

原題 La La Land
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ、ポニーキャニオン
 
ラ・ラ・ランド』ふつーにおもしろかった。なにがおもしろかったってミュージカルがよかった。タイトルどおりハイになって楽しめる映画。
正直これしか言いようがないんだが、賛否両論あるらしい。
 
 
というわけでその辺も含めて考えてみた。