やっぱり広瀬すずが好き『ちはやふる 結び』感想
ピクサーの夜/アニメーションの最先端 『リメンバー・ミー』感想
『アメリカの夜』という映画をご存じだろうか。フランスのヌーヴェルヴァーグを牽引したフランソワ・トリュフォーがアメリカ映画に愛を贈った作品だ。タイトルの「アメリカの夜」はフィルムを加工して昼に撮影したシーンを夜に見せる手法の通称。カメラの感度が低く夜に撮影できなった時代に生まれた一種の特殊効果のことだ。
スマホですらきれいに夜景を撮れる現在、もはや映画に「アメリカの夜」は存在しない。しかし、特殊効果によって作られた夜は存在する。『リメンバー・ミー』で描かれる「メキシコの夜」はまさにその最先端だった。
ピクサーがはじめて挑むミュージカル映画。舞台はメキシコ。テーマは死。
主人公のミゲルは、町の英雄的ミュージシャン、デラクルスに憧れてミュージシャンを夢みるも、家族は代々伝わる音楽嫌い。それでも夢を諦められないミゲルは、メキシコの国民的行事「死者の日」に開催される音楽コンテストへの出場を決意する。しかし、当日に家族にばれてしまい、祖母にギターを壊されてしまう。
ミゲルは泣きながら家を飛び出す。そしてコンテストに出場するため、デラクルスの祭壇に飾ってある彼のギターを盗み出したその時、彼の身に異変が起こる。「死者の日」に死人の所有物を盗んだ彼は「死者の国」の住人になってしまった。
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原作読者もだまされる大胆な脚色 『去年の冬、きみと別れ』感想
あらすじ
神さまは機械仕掛け 本人たちによる実録実演実話『15時17分、パリ行き』感想
ここ最近もっぱら実話ばかり撮っているクリント・イーストウッド。今回は2015年に起きたタリス銃乱射事件の映画化だ。タイトルにある通り、15時17分、パリ行きの列車、タリス号車内で起きたテロ事件。
スモール・イズ・ビューティフル 『ダウンサイズ』感想
人間が小さくなると社会はどうなるのだろう。ファンタジーではなく、この発想を現実的にアプローチした映画。まるで政治哲学の思考実験のようなテーマだが、内容はとってもコミカル。
主人公ポール(マット・デイモン)は、理学療法士。オマハの実家で妻オードリー(クリステン・ウィグ)と二人慎ましく暮らしているが、それでも家計は厳しい。深夜にこっそりベッドを脱けだし、そろばんをはじく毎日。憧れのマイホーム購入も住宅ローンの審査が通らない。夢の生活を実現させる方法はただひとつ。世紀の大発明、ダウンサイズによって体の大きさを1/14にすること。体が小さくなれば、食費などの生活コスト必然的に削減できる。つまり、資産が82倍になる計算だ。
ダウンサイズした住人の町、レジャーランドの門を叩くポールとオードリー。はたして二人を待ち受ける運命とは。
未見の方に配慮しませんのでネタバレにはご注意を。
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