NO MORE 映画マウンティング

主に新作映画について書きます。

在庫僅少本の探し方

 
本のタイトルで検索するときまって上位はAmazonページ。お目当ての本がAmazonで品切になってるときはどうしてますか?というお話。Amazonで品切=入手不可、と思ってる方けっこう多いんだけど、意外と簡単に手に入るよという話。 
 
こんな木っ端ブログを覗いてみようなんていう酔狂なみなさんは、市場性の低そうなマニアックな本がどうしても欲しくなる瞬間が定期的に訪れるはず。
たまたまこの前、そんな本にぶちあたって無事に解決したので紹介します。

 

 

アマゾン品切=絶版ではない

 
けっこう勘違いしてる人いるみたいですけど、これ違いますからね。もちろんAmazonは日本でいちばん売れる書店です。マニアックな本も売れるので可能な限り在庫するように出版社に発注をかけています。
 
そのAmazonで品切になっている、その上マケプレで高額ついてる本ならば、たしかに版元品切の本である可能性が高い。
 
でもみなさんが考えてる以上に日本の書店の在庫ってすごいんですね。リアル書店ではしれっと流通してることがあるので、必ずしもAmazon品切=市場在庫なし、というわけではない、ここはしっかりおさえておきましょう。
 
売れないのによくこんなに在庫してるなと感心すべきなのか、逆にいえば不良在庫をたくさん抱えているから売れないと評すべきなのかは微妙なところですが、そのおかげでぼくらみたいなもんが残り物にありつけるわけで、ひとまず感謝です。
 

ネットで在庫検索してみよう

 
このエントリーを書くきっかけとなったのは、ぼくが『エドワード・ヤン』の評伝を探していたときのこと。
Amazonで検索するとこんな感じ。

 

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諭吉さん一人分くらい値上がりしてますねー。
「は!?マケプレたっけ…ふざけんなよ」となった私は即座にHontoへアクセス。案の定Hontoでも「取り扱いなし」になってる…。
 
ご心配なく。本題はここからです。
書誌データページをスクロールしていくと、Hontoと同じDNP系列のリアル書店在庫がみれます。これがすごい。
 

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いきなり北海道の店舗で在庫あり。面倒なのでスクショしてませんが、結果、全国10店舗弱のお店で在庫ありでした。丸善ジュンク堂半端ねえ。
Amazonマケプレ1万円の本を定価で購入できるお店の情報が5分で手に入る。
 
あとは最寄りの系列店に取り寄せてもらうだけ。Honto会員ならネット上で取り寄せ手続きして、最寄り系列店に届いたらメールで知らせてくれる。

店舗お受け取り - ヘルプ - honto

 

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あくまで私の場合ですが、申し込んでから1週間で最寄りのお店に届きました。

少し時間はかかるけどマケプレで1万払うよりはるかにいい。

 

お目当ての本が見つかったので他店では調べてないけど、いまや大半の書店がネットから在庫検索できる。

 
大型店のある全国チェーン書店で名前がないのはくまざわ書店ブックファーストくらいか。
 
さっき書いたように最初に私が調べるのはHonto。言わずとしれた在庫量No.1のリアル書店丸善ジュンク堂の在庫が見れるので期待度大。残念ながらこちらを調べてなかったら自宅からアクセスのよい書店の在庫をしらみつぶしにあたるか、本店とつく紀伊国屋書店の在庫を調べるかな。
 

それでも見つからない・・・

 
さて、ネットの在庫検索でも見つからなかった場合。それでもとりあえずリアル書店にいくことをおすすめする。書店に行くと出版社に問い合わせしてくれるからです。
 
出版社は、書店による電話注文(通称客注)を確度の高い注文と考えているらしく、客注用に在庫を温存していたりする。
 
出版社は常に書店からの返品を念頭に置いて在庫管理を行っています。出版社にとって最も恐ろしいのは、出荷した在庫僅少本が、書店の不良在庫となること。そのため、一定の在庫数を切ると、むやみやたらに出荷するのやめよ!となり、倉庫に温存しておくわけです。
 
つまり、市場在庫がなくてもまだ希望はある、ということ。
ちなみに出版社の倉庫に押しかけてヤレ本ゲットした、なんていう荒業も聞いたことありますが、基本徒労に終わるのでおすすめしません。
 

やっぱり見つからない・・・

 
古本屋いくか、復刊ドットコムにリクエスト出して辛抱強く待ちましょう。私なら諦めるけどどうしても手に入れたい本ってあるからね。
 
 

Amazon今後の品揃え

 
先日、こんなニュースが出てました。詳しくは、おそらく版元内部の人間とおぼしき増田のとても詳細な記事があるのでこちらを読むといい。
 
 
簡単にいうと、問屋に置いてない本届くの遅すぎじゃない?もう発注すんのやめるわってことらしい。問屋が在庫していない本=マニアックな本ってことですよね。
 
長期的には出版社との直取引を増やすことである程度改善していくとはいえ、短期的にはマニアックな本の品ぞろえは悪くなるでしょう。というわけで本好きのみなさんはしっかりAmazonに次ぐセカンドチョイスの調達先を考えたほうがよさそうです。
 

出版社の在庫事情

 
本の長期的な品切れには大きく分けて二種類あることをご存知ですか?
短期的な品切れに関しては生産が需要に追いつかないケースや流通の問題など色々あるのですが、長期的な品切の場合、理由は二つしかありません。
 
絶版か重版未定です。
 
前者はよく耳にする言葉ですね。絶版ってのは読んで字のごとく、「版が絶えてる状態」です。つまり出版権がない状態なので、増刷の可能性はない。
 
後者は、ドラマ化もされた人気のマンガ「重版出来」の逆バーションだ。増刷しても不良在庫となる可能が高いため、品切になっている状態。版権はあるので、場合によっては増刷される可能性あり。
 
慢性不景気状態にある出版業界。在庫を抱えるのも維持費がかかりますので、売れそうにない本はがんがん断裁する。昔だったあと一年は様子見ようかな、みたいな本も無慈悲に切るらしく、本の平均寿命はどんどん短くなっている。いやー『監獄の誕生』が品切になっててびっくりした。絶版か重版未定か知らないけど。
というわけでここ最近は「食指が動いたら即買い」するようにしてる
 
 

まとめ

 
以上、「Amazon品切でもHontoとかで在庫検索するといいよ」という趣旨の内容でした。
今回おすすめしたHontoはネットで最寄り書店に取り置きもできますし、比較的簡単に在庫僅少本を確保できます。検索エンジンがくそだし、発送遅いので普段使いはあり得ないけどサブ書店としては便利。